Japan-U.S. Global Leadership Program in the Age of Artificial IntelligenceAI時代の未来を拓く日米グローバル人材育成プログラム

2023年度後期 第85回STARTプログラム テキサス大学オースティン校

概要

2024年2月11日(日) ~ 2月22日(木)、広島大学の学部生18名が、アメリカテキサス州のテキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)にて、アントレプレナーシップ、AI、データサイエンスなどを学びました。参加学生18名の所属学部はさまざまで、総合科学部(5名)、法学部(4名)、経済学部(3名)、工学部(2名)、文学部(1名)、医学部(1名)、情報科学部(1名)、教育学部(1名)と、8学部から参加がありました。学年は、1年生5名、2年生11名、3年生2名でした。

テキサス大学オースティン校

テキサス大学オースティン校は、アメリカ合衆国テキサス州オースティンに位置する州立大学です。1883年に設立され、学生数は約54,000人(学部生と大学院生を合わせて)、広島大学在籍学生数の約3.5倍の学生が在籍しています。工学、ビジネス、法学、公共政策など多くの学部があります。カレッジスポーツチーム「ロングホーンズ」は、アメリカンフットボールやバスケットボールなどで知られています。

“The Tower”として知られるテキサス大学オースティン校のMain Buildingの前で撮影。
みんなが着ているのは、ロングホーンの大学Tシャツ。ロングホーンを指で表すジェスチャーは「Hook ‘em Horns」と呼ばれます。

プログラム構成や内容

このプログラムは、アントレプレナーシップ、AI、データサイエンスの3つのトピックに加え、英語、アメリカ/テキサス州の歴史・社会・文化をバランスよく学習できる内容で、講義やディスカッション、ラボ・センター訪問、および、フィールドトリップで構成されていました。

まずは、アントレプレナーシップ、AI、データサイエンス関連の授業・講義について。AI専門の教授からのキーノートスピーチ、NIKEでGlobal Business Directorをしていた先生から直接伺う起業のお話、医師の資格を持ちヘルステック分野で自ら起業をしている先生からのお話、20年以上もトップ企業でマーケティングを担当していた先生からのデータプライバシーについてのお話など、知識も経験も豊富な先生方のご講義に参加者は熱心に耳を傾けました。先生方は大学で教えているだけでなく、自らビジネス界で活躍していた、または、現在も活躍している先生方です。学生のモチベーションは自然とあがったようです。毎回授業が終わると、学生たちは先生の所に集まって質問をしていました。先生方は学生たちの質問に真摯に答えてくださいました。先生方はとても親しみやすく気さくで、頼めば「いつでも連絡してくれ」と連絡先をくださいます。これが、アメリカならではの先生と学生との距離感です。

Dr. Raymond Mooney, Director of UT Artificial Intelligence Laboratory (Feb 12)
Entrepreneurship, Lecturer Gary Anderson (Feb 13)
Meet & Greet: ElectroNeek, Sergey Yudovskiy, CEO at ElectroNeek (Feb 16)

専門的な講義を受けるとともに、テキサス大学の英語教育センターの先生から英語を学びました。全部で4コマ。英語を話すコツ、日本人にとってむつかしい英語の発音、自己紹介を書く練習、英語メールの書き方などについて、英語を英語で学びました。このプログラムが終わってからも自分で英語学習が継続できるように、先生から多くのアドバイスや役に立つリソース情報をいただきました。

最初は躊躇していたけれど、英語でコミュニケーションをとることは楽しい!

アメリカの大学の授業スタイルの特徴

アメリカの大学の授業スタイルは、日本のものとは異なります。アメリカの大学の先生たちは一方向の講義をしません。授業は参加型で、ディスカッションが中心、学生には積極的に発言する姿勢が求められます。また、授業時間外の課題や作業が多く、レポートやプレゼンテーションなどを行います。

参加学生18名は、短期間のプログラムではありますが、アメリカスタイルのグループワークやディスカッション、英語でのプレゼンテーションを経験することができました。もちろん、中には授業スタイルの違いに戸惑っている学生もいましたが、「1日1回以上必ず授業で手を挙げて発言するか質問をする」と決めて授業に臨んだ学生も複数いました。

プレゼンテーション

このプログラムでは4~5名のサブグループに分かれてグループワークを進め、最終日、このプログラムで学んだことを英語で発表しました。英語で作るプレゼンテーションの資料準備には多くの作業時間が必要で、プレゼンテーションの日が近づくにつれてほぼ毎日参加学生はホテルのロビーなどに集まってグループで一緒に勉強をしているのが印象的でした。夜遅くまでグループワークをしているグループもありました。

英語でのプレゼンテーションに挑戦!担当順に全員発表!

現地の学生が勉強する姿

現地の学生によると、アメリカの大学は予習(リーディングリストなど)、課題やレポートの量が多く大変!とのこと。キャンパスのあらゆる場所で、勉強をしている現地の学生を見かけました。キャンパスの芝生の上、自習室など、あらゆる建物に自習ができるスペース(Study Spaces)があります。

18名の参加学生から、「キャンパスのあちらこちらで勉強をしている学生の姿をみて、よい刺激を受けた」、「アメリカは学ぶ環境が整っていて魅力的だ」と話してくれるを学生もいました。

次は、施設見学について。テキサス大学の最新研究をしている3つの施設を訪問しました。それぞれの施設では大学院生が自らの研究について話してくれたり、実際に機械を動かしたりするなど、体験型視察でした。

Site Visit: Autonomous Mobile Robotics Laboratory (AMRL) Feb15
Site Visit: Texas Inventionworks (Feb 13)

この施設は、UTの学生であれば誰でも利用できます。最先端の設備と機器を備えた施設で、学生は自由な発想で、ロボットの開発や新しい製品の設計など、さまざまなプロジェクトに取り組むことができます。これにより実践的な経験を積むことができます。また、学内外の多くの学部や産業界との連携を通じて、学生は多様な視点から問題解決に取り組むことができます。

次は、テキサスの歴史と文化を体験!アメリカの文化、テキサス州の文化についても学びました。学生はアメリカの風土や雰囲気を堪能したようである。

エクスカーションでは、テキサスで有名なCountry Musicを楽しめる場所やNASA Space Center Houston、テキサス州議会議事堂、Alamo Church、San Antonioのロデオを視察しました。

テキサスの学生とともにAlamo Churchへ。テキサス州の歴史を学びました。ここは、テキサス独立のきっかけとなったアラモの戦いで知られています。アラモの砦(The Alamo)とは、1718年に建てられた伝道院が砦として使われたもので、礼拝堂などがそのまま保存されており、敷地内にはアラモの歴史に関する博物館や図書館、みやげ店などがあります。
学生にとっては、はじめてのロデオ!アメリカの人は、カーボーイハットにカーボーイブーツ。家族で楽しんでいる人もたくさん。毎年2月末から3月にかけて、ヒューストンではHouston Livestock Show and Rodeo(Rodeo Houston)なるイベントが開かれます。ロデオとは、牛や馬を使って行われるカウボーイたちのいかにもテキサスらしいスポーツ。荒くれ者たちの腕試しから始まった遊びですが、今は厳格なルールが定められてスポーツと認識されています。
そして会場には子供連れがいっぱい。お目当てはCarnival(移動遊園地)、ジェットコースターや観覧車などお馴染みの遊具や、様々な屋台がずらりと並んでいます。バーガー、ソーセージ、ポテト、少し甘いポップコーン。「カーニバル」と聴くと、リオのカーニバルのように華やかな衣装を着た人々が音楽に合わせて練り歩くイメージがありますが、アメリカでのカーニバルは、期間限定で開催される、移動式遊園地のようなものを言うことが多いとのこと。
観覧車やメリーゴーランドなど、大きなアトラクションもたくさんあり、移動式といってもかなりの本格遊園地です。
屋台フードを食べられたり、射的に似た屋台ゲームもあるので、雰囲気としてはかなり似ています。
テキサスの休日の過ごし方を垣間見ることができました。

ヒューストンと言えば、NASA Space Center Houston!

テキサス州にある、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の「ヒューストン宇宙センター(Space Center Houston)」を視察しました。米国および同国と国際的な協力関係にある諸外国出身の宇宙飛行士を訓練している場所です。

実際に飛行した宇宙船を見たり、ロボノート(Robonaut)に会ったり、世界で 8 つしかない月の石の 1 つに触ったり、人類の宇宙探検における豊かな歴史と輝かしい未来を体験し、本物を肌で感じる機会でした。

施設見学もでき、実際に宇宙飛行士が訓練を行っている場所でもあります!私たちは参加できませんでしたが、宇宙飛行士と交流できるイベントもあるそうです。
テキサス州議会議事堂にも訪問!サンセット・レッド色の花崗岩でできた建物。歴史と威厳を感じます。英語によるガイド付きで勉強になりました。

現地学生との交流

テキサス大学の大学生がcultural ambassadorsとしてプログラムに付き添ってくれました。

現地学生との交流がほぼ毎日行われ、日本人学生は大変楽しそうな様子。日本人学生18名を4グループに分け、1グループに現地学生1~2人がついて一緒に行動しました。彼らはボランティアで、募集人数よりも多くのテキサス大学生から申込みがあったとのこと。渡航前から、グループごとにWhatsAppでグループを作り、コミュニケーションを取り始めました。日本人学生は比較的シャイで、渡航前は、あまり会話が弾んでいないようでした。しかし、初日の歓迎会で実際に会い、お互い自己紹介をし、現地で対面で話すようになってからは、ぐっと距離が近くなり、一緒にグループ行動を楽しみ、毎日メッセージを頻繁に送り合うようになりました。初日には、cultural ambassadorsが一緒にキャンパスツアーを行ってくれました。テキサスのスーパーマーケットやドラッグストアー、彼らが普段買い物をしている場所に行ったり、一緒に食事・カフェに行ったり、テキサスの街を観光したり、積極的に交流が行われました。また、ボーリングナイトも設けられており、cultural ambassadors 以外の現地学生との交流の場もありました。また、広大生は、大学のユニオンで行われている毎日行われているイベントに参加もしていました。プログラム後も、両大学の学生が連絡を取り合っています。また、プログラムに参加した広大生同士で、定期的に集まって交流しているそうです。テキサス大学の学生が日本を訪問した際は、仲間で集まっているそうです。このような友情を育む機会をもてるのも、STARTならではです。

ユニオンの仮面パーティーに参加!

Texas Global (UTの国際部の大学職員)のこのお二人が、今回のプログラムをリードしてくださいました。最終日、広大生からお礼の気持ちを込めて、感謝のカードを送りました。嬉しそうに一通ずつ読んでくださっている様子です。

”大学の施設見学も自分の学んでいる内容に対するもーてぃベーションの向上に非常に貢献したためとてもよかった。英語での授業はとても新鮮で、環境も素晴らしく、刺激的な毎日を過ごすことができてとても満足している。”参加者の感想

STARTに参加することにより、異文化交流モチベーションが上がり、セメスター留学に挑戦する学生もいます。興味のある方は広島大学の留学説明会や国際交流イベントにご参加ください。また、学生プラザ2階の留学交流グループが随時相談にのっています。

*広島大学は、大学の世界展開力強化事業(米国)「AI時代の未来を拓く日米グローバル人材育成プログラム」の一環として、米国3連携大学の一つである米国のテキサス大学と、オンラインと実渡航を伴う短期プログラムを実施しました。